価値も価格も一緒でも差がでる!?見えないコストの話
サービスのUIについて考えていたら、守安さんがマンガボックスの使いやすさについて質問されてたときの回答を聞いて、見ないコストについて考えたので書いてみたい。
それまでもマンガアプリっていくつかあったんですけど、だいたい読むっていうと、ダウンロードはじめるんですよ。それはありえないんで(参照G1ベンチャー2014 マンガボックスに見るコンテンツビジネスの未来)
さらりと言われたこの一言に、経営者がこういう意識でやってるから、利用者が爆発的に増えるだろうなと妙に納得してしまった。
最近ではコンテンツをプリロードしておくみたい話は一般的なのかもしれませんが、電子書籍サービスの中には本のダウンロード以前に、本棚アプリやViewerのダウンロードや会員情報の登録など、たくさんの手間がかかるサービスが多数ある。
アプリのダウンロードはなしだとしても、本を読むのに、本をダウンロードしてんだから、それは許容しても良いのではと思ってもいいように思うが、なぜ、ここまでこだわりを持つのだろうか。
iTunesで購入しなくても、音楽ファイルを手に入れることはできます。不正ダウンロードやwinnyならタダで手に入ります。ほとんどの人は音楽ファイルをタダで手に入れる手段を知っていながらiTunesにお金を出して買います。
これはどういうことかと言うと、winnyで10分、20分かけて探すのと、iTunesで10秒で探して視聴して100円支払うのを比べたときにどちらがいいかということです。大多数の人はwinnyで探すような面倒なことをするよりも100円払ったほうが得だと考えるのです。(参照:ITビジネス原理)
検索コストに限らず、ユーザーは無料でサービスの便益を受ける場合も、見えないコストをたくさん支払っていることが多数あります。見ないコストが積み上がっていると、コストとサービスから得られる価値が見合わず、無料にしてもユーザーは利用してくれません。
逆に見えないコストを下げられれば、ユーザーからすれば価格が安いのと一緒ですから、利用者が増えるのは当然です。
具体的に、見えないコストをうまく落としているサービスをいくつか上げてみたい。
商品検索コストの削減
地図を読むコストの削減
99%迷わない!方向音痴のための距離と方向だけのナビうぇーい - Google Play の Android アプリ
ウェブ制作の学習コストの削減
Strikingly - わずか数分でシンプルで美しいモバイルサイトを作成
PC起動時間の削減
EZGREE
※事例が古いですかね(笑)でも、ケータイが主流になる前に、PCの起動面倒さを取り除いたのは着眼点はほんと凄いなと。
事例に偏りがありますが、以上です(笑)
まぁ競争環境に身を置くから限り、基本的にはユーザーが支払うコストは常に下がり続ける運命なので、見えるコストだけでなく見えないコストも積極的に落とせるように、意識していきたいと思います。