アンサーを事例に非目的型情報サービスを学ぼう
(アンサー スクリーンショットより)
ブログを代表とした非目的型情報発信・消費を狙ったサービスというのは昔からあったけど、最近改めて、アンサー、aorb、7gogoなど非目的型情報発信・消費を狙ったサービスが増えたように思います。
この流行りに乗ってこの手のサービスを立ち上げようという話を聞いたりもするんですが、僕はこの手のサービスの勘所をあんまり理解しておらず、フィードバックを求められてもなかなか良いとも悪いとも言えないことが多い。どうしても課題が見えづらいサービスより、昔からある課題に対して、時代にあったソリューションを提供するようなビジネスプランのほうを評価しがちな人は、僕以外にも多いのではないか。この評価には一理あると思うのだが、インターネット事業の面白さを味わい切れていないような気がするので、今日はこの手の事業をまとめてみようと思います。
目的型情報発信・消費と非目的型情報発信・消費の特徴の比較
- 目的型情報発信・消費市場では、目的を達成できないと価値がないので、それなりに情報発信コストがかかる。故にコストに対して直接リターンが見えるモデルが相性がよい。所謂、インフォメーションコンテンツ。
- 非目的型情報発信・消費市場では、目的がない情報発信なので、強い動機づけないため発信者がコストを取らないのが一般的。故に直接的にリターンが取れないことを前提としたモデルのほうが相性が良い。所謂、コミュニケーションコンテンツ。
なぜ今、非目的型情報発信・消費サービスが伸びているのか。
- スマートフォンの普及により、PCやガラケーよりも短時間で情報発信ができるようになったことが大きな要因だと思います。コミュニケーションが軽いほうにいくことが人間の根源的な欲求だとすると、情報発信コストが落ちたタイミングで、非目的型情報発信市場を狙ったサービスが生まれてくるの納得できる流れかと思います。
なにが非目的型情報発信・消費型サービスの価値を作るのか
非目的型情報発信・消費型サービスがベースがコミュケーションコンテンツだとすると、その価値はコミュニケーション相手によって決まる部分が多いと思います。LINEのようなクローズドのコミュニケーションサービスは利用者が増えれば増えるほど、ネットワークの外部性が働き価値が増幅されます。
一方で、不特定多数とコミュニケーションを売りにするサービスだとどこに差がでるのでしょうか。誰かとコミュニケーションできると約束されているわけではないので、たとえば、以下の様なものでしょうか
- レスのスピードと数
コミュニケーション自体に価値があるとすると、相手からのレスポンスのスピードと数がはやく多ければ、価値もはやく、たくさん受けられる。 - 同じ情報を共有している集団
2ちゃんユーザーにしか通じないことばニコ厨にしかわからないことがあるように、内輪ネタが通じる状態にすればその集団には価値があります。
※新しいユーザーが価値を感じづらいというのはありますが。。。 - 自己承認欲求を満たしやすい仕組み。
不特定多数且つ匿名性であっても、情報発信者は自己を認めてもらいたいという欲求は持っています。いいねボタンのようなもので自己承認欲求を満たしてくれるのはやはり嬉しいので、これを仕組み化されていることが、レス数を差になりそうです。
改めて整理して、ポイントをまとめると、
事業のポイント
非目的なユーザーがふらっと参加できるように設計し、出来るだけ情報発信コストを落として、たくさんコミュニケーションを生み出す。その上で、内輪ネタが作りやすい仕組みと情報発信者の自己承認欲求を満たす仕組みを用意するというのがポイントのように思います。
具体的に最近話題のアンサーを調べてみました。
ユーザーにこんな質問をしてみました。
Q&Aでなにかの解決をすると思いきや、雑談、ボケとツッコミという回答。
やっぱり非目的情報発信・消費ニーズ向けのサービスです。
もう少し深堀りしてみた。
島耕作が出てきました(笑)もはや、新感覚ボケてです。
続いて、
ワニから逃げる方法を教えられ、もはやなにを質問しているかわからない状態です。。でも、確かにたのしい(笑)。
これがまさに知っている人しかわからない内輪ネタです。botのコントロールを覚えた人が集まっていることこそ、価値なっているはず。おんなじようなことがITビジネスの原理の中にも書かれています。
非目的型情報消費が進むと、非目的とは言いながらなんらかの刺激がないと人はその消費に耐えられなくなる。そこで、そこに差異を生み出す装置が欲しくなるのです。その差異を特別なものと思えば思うほど、自分の消費が価値あるものと考えられるようになる。(ITビジネスの原理)
僕もbotを召喚しようと、つぶやいてみます。
しかし、ワニの画像が出てきません。
どうやら1トークに1回しか同じBotはでないようなのです。botの呼び出し方が説明されておらず知っている人は知っているという仕組みは、まさに差異を生み出す装置です。
最後に、自己承認欲求をくすぐるという点では、最初のスクリーンショットやコメントの脇をみるといいねボタンがあります。また即レスすると褒められる仕組みが入っています。
いやー、すごいしっかり設計されていますよね。
アンサーに分析が引っ張られているんじゃないかと自分でツッコミを入れつつ、アンサーの体験には、感動してしまったんでスクリーンショットまで掲載してしまいました。
書き起こしてみると、すごい当たり前のこと書いているような気もするが、前よりは少しだけ非目的型情報発信・消費サービスについて理解できた気がします。こんな感じで気になることは、より深く理解するためにも文章にしてみようと思う。
(余談)ここまで書いて、ふとグリQってどうなったんだっけと思い出した。LINEQとアンサーの一騎打ち風だけど、グリQはどうした?単純にスマホ上では出すタイミングが遅れただけか、だれか教えて。まぁ社内的優先順位は低そうだからなぁ。。。