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Startup立ち上げの記録

起業して3ヶ月間で、学んだこと。

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スタートアップの立ち上げ記録と書きながら、ほとんどそれらしい内容を書いておらず、ごめんなさい。ようやく書きます。

4月からの3ヶ月間、参加していた有言ラボというインキュベーションプログラムのDEMODAYが先日終わりました。結果は、残念ながら、優勝ならず準優勝。ピッチを聞いて頂いた投資家方の反応は、2名の方が投資したい、4名の方が話を聞きたいという札を上げていただきました。自分なりに大きな反省項目はあるものの、多くの方にご興味持っていただいたことはとても嬉しく思っています。

写真は有言ラボのDEMODAYの打ち上げの写真です。とってもいい仲間やメンターと出会い、切磋琢磨できた3ヶ月間でした。今日はここ3ヶ月間の学びをまとめたいと思います。まずは僕のバックグランドを先に書いておきます。


僕のバックグラウンド

  • 前職はインターネット広告代理店を営業統括してました。数億円の売上から60億円ぐらいまで成長を牽引しました。
  • 開発チームに要望を出し、要件定義していたけど、ウェブディレクターとして通用するほどのスキルはありません。
  • 非エンジニアであり、技術的な詳しいことはわかりません(スクールに通うなど最低限の勉強は実施)
  • たくさんのウェブサービスのプロモーションさせてもらってきたけど、プロダクトを作ることははじめて。。。

さて、ここから3ヶ月間で学んだことを箇条書きにしてみました。

ビジネスプランニングについて

  • 市場を作り出すという発想ではなく、どこの市場をリプレイスするのか考える。人がお金を払ってくれるものは昔から変わらない。楽天イーグルスの球団を黒字化する際に、テーブル席を導入したのは有名だが、あれはスポーツ観戦市場ではなく居酒屋の市場のリプレイスをしている。
  • トレンドを把握しよう。ビジネスのトレンドは海流みたいなもので、ぱっと見どっちに流れているのかわからない。みんながトレンドを認識するのは海流にのって、すごいスピードで進む船(サービス)が出てきてから。有識者の講演やその分野の企業の本を読んで、海流を予測して自分の船はどちらに向かえば速く進むのかを考えるようにしました。ただし、ドメインごとに流れが微妙に異なることがしばしばなので、実行フェーズでは早め早めの検証が大切。
  • BtoCプラットフォームの場合に限らないかもしれませんが、Bの顧客となるCからの支持を得ている、所謂ユーザーファーストなサービスが強い。食べログぐるなびホットペッパーの集客パワーの差を現場に出るとすごく感じる。食べログがどんなにお店にとってマイナスのことを書いても、結局ユーザーが見ている媒体の送客数が圧倒的に多いという現実の前に、為す術なしです。
  • 起業家の特性にあったビジネスの立ち上げ方があることを認識する。僕がエンジニアでもないのに、とにかくサービス作るので見てくださいと言うような起業方法をやってもうまくいかないでしょう。知り合いにアフリカで医薬品の販売ビジネスをやっている起業家がいますが、僕は彼女ほどビジョンがあるわけではない。ビジョンもプロダクトのセンスもあったほうがいいけど、僕のスタートはマーケットドリブンでよいと思ってる。ユーザーを見て、儲け話を作って、突破口を作っていけばいい。走っているうちにプロダクトとビジョンはあとから、ブラッシュアップしていけばよい。
  • ターゲットを考えるときはターゲットをリーチできるような具体的な言葉にしよう。僕らのサービスで言うと飲食予約がめんどくさい人がターゲットですっていわれても、その人をリーチする方法がないと意味がない。めんどくさいと感じてる人ってどんな人だろうと考える。例えば、外食頻度は多い人or低い人?、単価は高い人or低い人とイメージしていけば、リーチできる形で定義できる。
  • 検証する前に自分と同じ領域でビジネスしている方に、自分の仮説や相手の現状を聞けるなら聞いてみよう。比較対象となる数字を理解することで、自分のプロダクトの評価ができる。大変不躾な依頼ではあるが、そんなに器の小さい人ばかりではないし、競合視されるほど自分のプロダクトに相手も関心がない。

ビジネスディベロップメントについて

  • 不細工でいいから、まず一回サービスを回してみよう。サービスの全体像とユーザーがどんな気持ちで利用するのかがよくわかる。
  • マイルストンを引いて、不安要素を検証をしましょう。僕らは自動音声電話にどのくらい対応しくてくれるんだろうとか、ユーザー獲得のCVRってどのくらいあんだろうという不安要素を潰していきました。
  • 検証するために必要な最低限の開発をしましょう。あくまで検証であり、ビジネスするわけではないので。グーグルフォームやメールやLINEを活用して、開発は不要であることも多い。
  • 利用者の実態把握は、こちらであれこれ仮説をたてるよりユーザーと話したほうがはやい。ティザーサイトにコンバージョンしたユーザーと対話する機会をつくりましょう。
  • B向けでも一緒。サービスのローンチを待たずに提案資料だけで営業することは可能である。営業すれば、KBFを定量的に把握することも可能です。
  • 競合の情報は、お客様から聞きましょう。詳しい情報はウェブには出てこない。顧客の声から競合プロダクトの課題や自分たちの優位性やこのビジネスの収益性を考えるのもありです。
  • ピボットを検討するようなビジネスのアキレス腱は、諦らめずに何度も詰めよう。僕もオペレーションコストが合わないという点については、実現方法がないのか色々な方に時間をもらい、コスト構造を聞き、またアクションするということを繰り返しました。
  • 1個1個検証していくほうが実質的なコストは少ないが、時間がかかる。時間もコストの一つであることを考慮した意思決定を。特に締め切りに間に合うのかは、チームに問う必要がある。特にパートタイムメンバーのリソースを集めている場合、メンバーのリソースを並列活用してはじめて、それなりスピードになるということを忘れない。直列活用ではスピードは出ない。


ヒューマン・リソースマネジメントについて

  • 人を口説いてくるの得意ですよねと言われることがあるが、秘訣があるわけではない。基本は異性への告白と一緒。自分を受け入れてもらえないかもという不安に負けずに言葉にできるかどうか。なぜあの男があんな綺麗な女性をみたいな話は、多少テクニカルな話はあるが、基本は場数の問題だと思ってる(笑)
  • ピッチイベントは出て、賞がもらえるなら、なんでもいいからもらった方がいいです。賞で口説ける人はいないけど、はじめての人との距離を縮めるのには役に立ちます。あとAWSのクーポンとかも地味に嬉しいですね。
  • 採用のわらしべ長者的な側面を理解する。たとえば、新卒エンジニアが一緒にやってくれているから、ベテランエンジニアが参加してくれたり、プロダクトが開発できるからデザイナーがジョインしてくれる。つまり、目の前のできるところを積み上げることで、採用力がついてくる。
  • リクルーティングするときは、スキルとやる気の両方あったほうがいいが、わらしべ理論からすると、現状の採用力に照らして完璧を求めないことも大切。どちらかという、やる気のほうが重要。
  • ただし、自分のプロジェクトに必要なスキルレベルを把握しておかないといけない。頑張ってもらってもプロダクトが完成しない。
  • ベテランメンバーと新人メンバーの教育関係を作ろう。成長機会が提供できると同時にチームワークが向上します。
  • メンバーに執着しすぎない。スタートアップはリソースがない中でやっているので、メンバーが離れるのは非常に痛いです。でも、去るもの追わずのスタンスが大切。お互いにメリットがあれば取り組むし、どちらかにメリットがなければ、しょうがない。メリットを作れていない自分も問題の一部であることを認識しましょう。変に固執すると、むしろ自分の器を小さくして人は集まらなくなる。
  • 最初はビジネスモデルよりも自分という人間に対する信頼を積み上げていくことが大切。たとえば、仲間やメンターから、君は検証プロセスがすごくいいとか、プレゼンがすごいうまいよねとか、3ヶ月間の成長率が一番高いとか、素直だよね、君ならやりきれると思うとか、そういう風評が人を集めるパワーになる。
  • ブログは書いたほうがよい。起業すると色々な人と知り合うが短時間で自分を伝えることは難しい。故に会った後に、自分がどういう人間なのかわかるものがあると、相手が勝手に自分を理解してくれていることが多いので便利。

セルフ・マネジメント

  • 1週間〜2週間で成果を発表しなくてはいけない場を設ける。有言ラボでは進捗をピッチする場が1週間〜2週間に一度回ってきます。発表の場が迫ってくると、やらざる得ない状態になって目標達成に動くようになります。部下に報告してもらう日を先に決めておくのと一緒ですね。。。
  • 意見が分かれそうなところですが、最初からラーメン代稼ぎをせずに、できるだけフルコミットして事業を立ち上げたほうがいいです。理由は単純でそのほうが必死になるからです。。。事業作っていく中で気が進まないようなことが多数あります。安全なところで一休みできるならそうしたいと誰もが思うと思います。そこの退路を立っておくとやるしかないので他の人より動きがよくなります。
  • アポイントはできるだけ朝に入れましょう。朝活などもどんどん参加しましょう。生活のリズムが整います。
  • 感謝を忘れないことがとっても大切。起業家は他のメンバーよりもリスクをとっていることがほとんどなので、温度差でることも多々あると思うんだけど、冷静に考えればそれは当たり前。手伝ってくれていることが自体有り難い。感謝の念を持って接しましょう。

その他外部の方からのアドバイスについて

  • 先輩起業家の話は聞くと、高い視座から自分を見つめ直せる。KAIZENの須藤さんに、なんで立ち上げ時期からこんなにアクセル踏めるんですか?と質問したら、前職で数十億ぐらいまでの組織は作った経験があったのでと言われた。そこでふと思ったのは、僭越ながら自分も3億−60億ぐらいまでの組織の成長は見てきたので、だいたい起きそうなことわかる気がした。正直もっとアクセル踏めるのではないかと思い直した。
  • 投資家の方からのフィードバックは様々。一つ一つに振り回される必要はない。ただ、同じビジネスモデルを別の視点からみることで道が開けることがよくある。 逆に多くの人がネガティブに指摘するポイントは、優先度が高い検証項目だと思ってできるだけ早く解決する。  

 

つらつらまとまりなく書いてしまいましたがが、以上です。
そして、これから事業スピードをおもいっきり上げるつもりです。ご興味ある方はご連絡ください。まずはお茶でも飲んで、一緒にやれるかざっくばらんに話しましょう。

(余談)まだなにも結果を出していませんが、一歩踏み出して本当によかったなと思っています。自分の進みたいと方向に歩みを進めた結果、3ヶ月ですが、自分を取り巻く環境は激変しました。付き合う人も仕事の内容も生活の仕方もほとんど変わりました。自分の意志に背いてずっと同じ環境に身をおいていたらと思うと正直恐ろしい。引き続き、悔いのないようにガリゴリ突き進みたいと思います。

 

 

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

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