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本田圭佑から学ぶ成長思考。いい加減、自分をよく魅せたいという欲求を捨てよう。

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特別サッカーが好きなわけではないですが、ワールドカップということもあり、たまたま見たNHK本田圭佑のインタビューが目にとまった。

インタビュアーが、本田にミランでのプレイについてどう考えているかを聞くと、
「まぁ、ミランに来て、すぐにはうまくいかないだろうなと思ってました。」と答えていた。

正直、僕としては意外だった。
入団時に背番号10番を希望したともいうし、いつも大きなビジョンを毅然として語るの彼のことだ、もっと自信を持って入団しているものと思っていた。

しかし、彼のサッカー人生を見てみると、必ずしも自分のプライドを傷つけずに生きてきた人ではないのがわかる。

たとえば、小学校の4年生の時に、兄の通う中学校の部活にまぜてもらうも体格差があり、中学生にはチビ扱いされていたし、ガンバ大阪のジュニアに進むも、ユースチームには昇格できなかった。高校生の時も、名古屋グランパスエイトの練習に参加し、オファーを受けるも、同時期に横浜F・マリノスの練習にも参加したが獲得は見送られている。

一方で、本田は名古屋加入時の契約では「オファーがあれば海外クラブへの移籍を認める」という条項が盛り込んだり、ACミランへの移籍時も背番号「10番」を自ら希望したり、結果を出す前に自らハードルをガンガンあげていく。

本田のことをいままで詳しく知らなかったが、常に自分のプライドを壊されることを受け入れて、実力以上の環境に身を置き、徹底して努力することで、成長を作ってきた人だった。

自分に過度なプレッシャーをかけて、追い込んで、成長する。
よく言われるアンコンフォートゾーンに常に身をおくというやり方だ。

本田もインタビューの中で「追い込まれたら人間生きるために死に物狂いで頑張るものですよ。生きる力はそういう潜在能力を秘めている」と答えている。

ただ、みんな、理屈はわかっていても、ビジネスマンはもちろんのこと、他のプロサッカー選手でさえ本田のように自らアンコンフォート・ゾーンに身をおける人は少ない。

一般的な人がアンコンフォート・ゾーンに身をおくきっかけになるのは、周りからのオファー発のことが多いように思う。例えば、社長に、ある部署の立て直しをお願いされてなど、自己評価より他者評価が上回った場合である。

しかし、本田のように成長するには、他者評価は高くない状態でも、自己評価以上ところに飛び込む必要がある。例えば、社内目標から乖離した非常に高い営業目標を他の社員を巻き込んで目指すことだ。当然周りから冷ややかな目で見られることもあるだろうが、手をあげて難しい仕事をとれるどうかが成長スピードを決めている。 

この行動がなかなかできないのは、多くの人が自分の能力を信じるよりも、自分をよく魅せたいという欲求に負けてしまうからだ。

WIREDに以前掲載れていた「より早く適切に学べる人」という記事に、そのことがよく書いてあるので紹介したい。

学生向けにテストを実施し、賢さを褒めた生徒と努力を褒めた生徒のその後の態度について調査をした。

賢さをほめられた生徒たちは、ほぼ全員が、自分よりテストの出来が悪かった生徒と自分を比較することで、自尊心を強化するほうを選んだ。これに対し、努力をほめられた生徒たちは、自分より成績のよかったテストを見るほうを選ぶ確率が高かった。彼らは失敗を理解し、失敗から学び、よりよい方法を編み出したいと思ったのだ。

知性をほめられた子どもは、自分を賢く「見せる」ことに気持ちを向けるようになり、間違いをおかすリスクをとれなくなるのだと説明している。

間違いをおかすことで生じる不愉快な反応を経験しない限り、われわれの脳が既存のモデルを修正することはない。いつまでも同じ間違いをおかし、自信を傷つけないために、自らを成長させる機会を逃し続けるのだ。(WIRED 早く適切に学べる人 より)

 
自分の考えを振り返ってどうだろうか、学校の授業中、部活、デート、仕事しているときも、自分をよく見せたいという気持ちが先行しすぎて、手を上げなかったり、レギュラーを取ると口に出さなかったり、好きな子に告白しなかったり、そういうことをしていると自分を成長させる機会を逃すことが習慣になってしまう。

 

この成長する考え方とそうでない考え方の差を、この記事では以下のようにまとめている。

「自分の知能レベルはこのくらいであり、ほとんど変えることはできない」という固定的な姿勢(fixed mindset)、もうひとつは、「必要な時間とエネルギーさえ費やせば、ほぼどんな能力も伸ばすことができる」という成長志向の姿勢(growth mindset)だ。固定的な姿勢をもつ人は、間違いを「ぶざまな失敗」とみなし、与えられた課題に対して自分に十分な能力がない証拠だと考える。一方、成長志向の姿勢をもつ人は、間違いを、知識を得るために必要な前段階、学びの原動力ととらえる。(WIRED より早く適切に学べる人より)


本田は徹底して成長志向の姿勢を、小学生の頃から貫いてきたのだ。

ほんと凄いことだ。

実際インタビューでも、「同じ人間であれば、才能に多少差があっても、努力でその差は埋められる。実際、僕より才能がある人より、成長してきた。」というようなことを答えている。

今からでも遅くない本田の姿勢を見習う必要がある。

実際、起業してみると、人を口説くために全力で事業を説明したら、相手から正直魅力的に思えませんと言われて断られたり、営業電話したらアポすら取れなかったり、カッコ悪いこともしばしばです。でも、失敗を恐れて挑戦しなければ、成長の機会を失ってしまいます。事業を起こすときに必要なのは、失敗の少なさではなく、立案した事業について、最速で学習できるかのほうがはるかに大事です。

WIREDの記事を借りれば、こんなメンタリティーが求められているのだろう。 

サミュエル・ベケットは適切にもこう言っていた。「試してみたら失敗した。それがどうしたというのだ。もう一度試せ。もう一度失敗し、よりよく失敗するのだ」(WIRED より早く適切に学べる人より) 

小学生頃に戻って脳の回路を書き換えたい気持ちが湧いてきますが、まぁ戻れませんので、今から本田を見習って、ガンガン挑戦して、失敗から最速で学習したいと思う。

(余談)いままで、好きなサッカー選手は?と聞かれたら、ジャイアントキリングの達海(漫画の主人公)ですって言ってしまうぐらいの感じでしたが、これからは本田ですと言ってみようかと。小学校生の時から自分を追い込んできた本田の勇姿を、ギリシャ戦でも見たいですね。頑張れニッポン! 

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WIRED VOL.12 (GQ JAPAN.2014年7月号増刊)

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フットボールサミット第8回 本田圭佑という哲学  世界のHONDAになる日

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