NOW IS OUR TIME

Startup立ち上げの記録

起業して3ヶ月間で、学んだこと。

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スタートアップの立ち上げ記録と書きながら、ほとんどそれらしい内容を書いておらず、ごめんなさい。ようやく書きます。

4月からの3ヶ月間、参加していた有言ラボというインキュベーションプログラムのDEMODAYが先日終わりました。結果は、残念ながら、優勝ならず準優勝。ピッチを聞いて頂いた投資家方の反応は、2名の方が投資したい、4名の方が話を聞きたいという札を上げていただきました。自分なりに大きな反省項目はあるものの、多くの方にご興味持っていただいたことはとても嬉しく思っています。

写真は有言ラボのDEMODAYの打ち上げの写真です。とってもいい仲間やメンターと出会い、切磋琢磨できた3ヶ月間でした。今日はここ3ヶ月間の学びをまとめたいと思います。まずは僕のバックグランドを先に書いておきます。


僕のバックグラウンド

  • 前職はインターネット広告代理店を営業統括してました。数億円の売上から60億円ぐらいまで成長を牽引しました。
  • 開発チームに要望を出し、要件定義していたけど、ウェブディレクターとして通用するほどのスキルはありません。
  • 非エンジニアであり、技術的な詳しいことはわかりません(スクールに通うなど最低限の勉強は実施)
  • たくさんのウェブサービスのプロモーションさせてもらってきたけど、プロダクトを作ることははじめて。。。

さて、ここから3ヶ月間で学んだことを箇条書きにしてみました。

ビジネスプランニングについて

  • 市場を作り出すという発想ではなく、どこの市場をリプレイスするのか考える。人がお金を払ってくれるものは昔から変わらない。楽天イーグルスの球団を黒字化する際に、テーブル席を導入したのは有名だが、あれはスポーツ観戦市場ではなく居酒屋の市場のリプレイスをしている。
  • トレンドを把握しよう。ビジネスのトレンドは海流みたいなもので、ぱっと見どっちに流れているのかわからない。みんながトレンドを認識するのは海流にのって、すごいスピードで進む船(サービス)が出てきてから。有識者の講演やその分野の企業の本を読んで、海流を予測して自分の船はどちらに向かえば速く進むのかを考えるようにしました。ただし、ドメインごとに流れが微妙に異なることがしばしばなので、実行フェーズでは早め早めの検証が大切。
  • BtoCプラットフォームの場合に限らないかもしれませんが、Bの顧客となるCからの支持を得ている、所謂ユーザーファーストなサービスが強い。食べログぐるなびホットペッパーの集客パワーの差を現場に出るとすごく感じる。食べログがどんなにお店にとってマイナスのことを書いても、結局ユーザーが見ている媒体の送客数が圧倒的に多いという現実の前に、為す術なしです。
  • 起業家の特性にあったビジネスの立ち上げ方があることを認識する。僕がエンジニアでもないのに、とにかくサービス作るので見てくださいと言うような起業方法をやってもうまくいかないでしょう。知り合いにアフリカで医薬品の販売ビジネスをやっている起業家がいますが、僕は彼女ほどビジョンがあるわけではない。ビジョンもプロダクトのセンスもあったほうがいいけど、僕のスタートはマーケットドリブンでよいと思ってる。ユーザーを見て、儲け話を作って、突破口を作っていけばいい。走っているうちにプロダクトとビジョンはあとから、ブラッシュアップしていけばよい。
  • ターゲットを考えるときはターゲットをリーチできるような具体的な言葉にしよう。僕らのサービスで言うと飲食予約がめんどくさい人がターゲットですっていわれても、その人をリーチする方法がないと意味がない。めんどくさいと感じてる人ってどんな人だろうと考える。例えば、外食頻度は多い人or低い人?、単価は高い人or低い人とイメージしていけば、リーチできる形で定義できる。
  • 検証する前に自分と同じ領域でビジネスしている方に、自分の仮説や相手の現状を聞けるなら聞いてみよう。比較対象となる数字を理解することで、自分のプロダクトの評価ができる。大変不躾な依頼ではあるが、そんなに器の小さい人ばかりではないし、競合視されるほど自分のプロダクトに相手も関心がない。

ビジネスディベロップメントについて

  • 不細工でいいから、まず一回サービスを回してみよう。サービスの全体像とユーザーがどんな気持ちで利用するのかがよくわかる。
  • マイルストンを引いて、不安要素を検証をしましょう。僕らは自動音声電話にどのくらい対応しくてくれるんだろうとか、ユーザー獲得のCVRってどのくらいあんだろうという不安要素を潰していきました。
  • 検証するために必要な最低限の開発をしましょう。あくまで検証であり、ビジネスするわけではないので。グーグルフォームやメールやLINEを活用して、開発は不要であることも多い。
  • 利用者の実態把握は、こちらであれこれ仮説をたてるよりユーザーと話したほうがはやい。ティザーサイトにコンバージョンしたユーザーと対話する機会をつくりましょう。
  • B向けでも一緒。サービスのローンチを待たずに提案資料だけで営業することは可能である。営業すれば、KBFを定量的に把握することも可能です。
  • 競合の情報は、お客様から聞きましょう。詳しい情報はウェブには出てこない。顧客の声から競合プロダクトの課題や自分たちの優位性やこのビジネスの収益性を考えるのもありです。
  • ピボットを検討するようなビジネスのアキレス腱は、諦らめずに何度も詰めよう。僕もオペレーションコストが合わないという点については、実現方法がないのか色々な方に時間をもらい、コスト構造を聞き、またアクションするということを繰り返しました。
  • 1個1個検証していくほうが実質的なコストは少ないが、時間がかかる。時間もコストの一つであることを考慮した意思決定を。特に締め切りに間に合うのかは、チームに問う必要がある。特にパートタイムメンバーのリソースを集めている場合、メンバーのリソースを並列活用してはじめて、それなりスピードになるということを忘れない。直列活用ではスピードは出ない。


ヒューマン・リソースマネジメントについて

  • 人を口説いてくるの得意ですよねと言われることがあるが、秘訣があるわけではない。基本は異性への告白と一緒。自分を受け入れてもらえないかもという不安に負けずに言葉にできるかどうか。なぜあの男があんな綺麗な女性をみたいな話は、多少テクニカルな話はあるが、基本は場数の問題だと思ってる(笑)
  • ピッチイベントは出て、賞がもらえるなら、なんでもいいからもらった方がいいです。賞で口説ける人はいないけど、はじめての人との距離を縮めるのには役に立ちます。あとAWSのクーポンとかも地味に嬉しいですね。
  • 採用のわらしべ長者的な側面を理解する。たとえば、新卒エンジニアが一緒にやってくれているから、ベテランエンジニアが参加してくれたり、プロダクトが開発できるからデザイナーがジョインしてくれる。つまり、目の前のできるところを積み上げることで、採用力がついてくる。
  • リクルーティングするときは、スキルとやる気の両方あったほうがいいが、わらしべ理論からすると、現状の採用力に照らして完璧を求めないことも大切。どちらかという、やる気のほうが重要。
  • ただし、自分のプロジェクトに必要なスキルレベルを把握しておかないといけない。頑張ってもらってもプロダクトが完成しない。
  • ベテランメンバーと新人メンバーの教育関係を作ろう。成長機会が提供できると同時にチームワークが向上します。
  • メンバーに執着しすぎない。スタートアップはリソースがない中でやっているので、メンバーが離れるのは非常に痛いです。でも、去るもの追わずのスタンスが大切。お互いにメリットがあれば取り組むし、どちらかにメリットがなければ、しょうがない。メリットを作れていない自分も問題の一部であることを認識しましょう。変に固執すると、むしろ自分の器を小さくして人は集まらなくなる。
  • 最初はビジネスモデルよりも自分という人間に対する信頼を積み上げていくことが大切。たとえば、仲間やメンターから、君は検証プロセスがすごくいいとか、プレゼンがすごいうまいよねとか、3ヶ月間の成長率が一番高いとか、素直だよね、君ならやりきれると思うとか、そういう風評が人を集めるパワーになる。
  • ブログは書いたほうがよい。起業すると色々な人と知り合うが短時間で自分を伝えることは難しい。故に会った後に、自分がどういう人間なのかわかるものがあると、相手が勝手に自分を理解してくれていることが多いので便利。

セルフ・マネジメント

  • 1週間〜2週間で成果を発表しなくてはいけない場を設ける。有言ラボでは進捗をピッチする場が1週間〜2週間に一度回ってきます。発表の場が迫ってくると、やらざる得ない状態になって目標達成に動くようになります。部下に報告してもらう日を先に決めておくのと一緒ですね。。。
  • 意見が分かれそうなところですが、最初からラーメン代稼ぎをせずに、できるだけフルコミットして事業を立ち上げたほうがいいです。理由は単純でそのほうが必死になるからです。。。事業作っていく中で気が進まないようなことが多数あります。安全なところで一休みできるならそうしたいと誰もが思うと思います。そこの退路を立っておくとやるしかないので他の人より動きがよくなります。
  • アポイントはできるだけ朝に入れましょう。朝活などもどんどん参加しましょう。生活のリズムが整います。
  • 感謝を忘れないことがとっても大切。起業家は他のメンバーよりもリスクをとっていることがほとんどなので、温度差でることも多々あると思うんだけど、冷静に考えればそれは当たり前。手伝ってくれていることが自体有り難い。感謝の念を持って接しましょう。

その他外部の方からのアドバイスについて

  • 先輩起業家の話は聞くと、高い視座から自分を見つめ直せる。KAIZENの須藤さんに、なんで立ち上げ時期からこんなにアクセル踏めるんですか?と質問したら、前職で数十億ぐらいまでの組織は作った経験があったのでと言われた。そこでふと思ったのは、僭越ながら自分も3億−60億ぐらいまでの組織の成長は見てきたので、だいたい起きそうなことわかる気がした。正直もっとアクセル踏めるのではないかと思い直した。
  • 投資家の方からのフィードバックは様々。一つ一つに振り回される必要はない。ただ、同じビジネスモデルを別の視点からみることで道が開けることがよくある。 逆に多くの人がネガティブに指摘するポイントは、優先度が高い検証項目だと思ってできるだけ早く解決する。  

 

つらつらまとまりなく書いてしまいましたがが、以上です。
そして、これから事業スピードをおもいっきり上げるつもりです。ご興味ある方はご連絡ください。まずはお茶でも飲んで、一緒にやれるかざっくばらんに話しましょう。

(余談)まだなにも結果を出していませんが、一歩踏み出して本当によかったなと思っています。自分の進みたいと方向に歩みを進めた結果、3ヶ月ですが、自分を取り巻く環境は激変しました。付き合う人も仕事の内容も生活の仕方もほとんど変わりました。自分の意志に背いてずっと同じ環境に身をおいていたらと思うと正直恐ろしい。引き続き、悔いのないようにガリゴリ突き進みたいと思います。

 

 

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

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不運があっても、結果を出すコツを考えてみた。

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ミクシィの朝倉さんがインタビューで、こんなことを言っていたので今日は運について考えてみたい。

これは僕の感覚で、すべての会社に当てはまるかどうかはわからないけれど、ミクシィの立て直しに必要だったのは、ロジックや戦略などの「理」と、やると決めたことをやり抜く「心」の強さ、そして「運」という3つの要素だったと思います。この「理」と「心」と「運」が、最終的な成果にどれくらいの比率で影響しているか、自分なりに考えてみると、1対4対5くらいなんです。つまり「理」が1、「心」が4、「運」が5。(東洋経済オンラインより)


成果に対して、運が半数。

経営に予期しなかった事象が与える影響が非常に大きいのだろう。実際、モンストがここまで当たるとは、朝倉さんも想像してなかったのではないかと思う。

ただ、ミクシィは運がいいよね-、モンストが一発あたったからね、というのも学びがない。

実際インタビューの続きでも以下のように書かれている。

でも運任せかというとそんなことはなくて、前半の「理」と「心」を尽くしたところに、後半の「運」が着いてくる。(東洋経済オンラインより)

 

似たような考え方がビジョナリー・カンパニー4で取り上げられている。
ROL、運の利益率という考え方だ。

全体として10X型企業が比較対象企業よりも強運であるとはいえないことが判明した。両グループとも同じ程度の幸運と同じ程度の不運を経験している。ここから導かれる結論は何か。10X型企業成果をもたらすのは、運ではなく人間であるということだ。基本的な質問は「あなたは強運の持ち主か」ではなく、「あなたは高い運の利益率を達成しているか」である。(ビジョナリー・カンパニー4より)

 

幸運、不運が平等に起こるのであれば、予期せぬ事象が起きた時に、以下のシナリオのどれに着地させられるかが重要だということだ。

  • 幸運からの高リターン
  • 幸運なのに低リターン
  • 不運なのに高リターン
  • 不運からの低リターン


ミクシィという企業はどうなのだろうか。SNSという幸運からの低リターン、モンストという幸運からの高リターンという印象でしょうか。いや、SNSではなくバタラさんからの高リターンという人もいるかもしれません(前回のブログでご紹介したセミナー講師の方は、学生時代のバタラさんが自分の会社にインターンに来てくれていたのに、彼の可能性、SNSの可能性に気が付かなかったと後悔の便を述べていました)。


まぁ、他人様のことはなんとも言えませんので、運の利益率を高めるために自分の経験を振り返ってみようと思う。

前提として、なんとなくだけど幸運の活かし方と不運の乗り切り方は違う気がする。
どちらに注目しようかと少し悩んだが、不運の乗り切り方について振り返りたい。
というのも、幸運によって短期的に業績を伸ばせたとしても継続的な成功は約束してくれてない。一方、企業は不運によって、終わってしまうこともあるからです。

さて、自分のビジネス経験を少し引っ張りだしてみよう。
※具体的な事例を書いていたのですが、ちょっと生々しいのでカットしました。そうすると後ろの文章がつながらない気もしますが、、、


当時は次から次へと問題が起きることに、ベンチャー経営とはそういうものかと思っていたが、不運に見まわれているように見えて、そのときはベストだとおもった意思決定が次の問題を起こしていることが多いように思う。

結果論ですが、今になって振り返れば、もっとうまくやれるポイントを上げてみます。

1.各ファンクション間の影響を互いに把握する。
仕事は部署内で完全完結のすることがほとんどありません。どこかの部署になんらかの影響を与えることがほとんどです。故に、相手に与える影響が把握できていないと部分最適の結果が、次の問題を発生させます。たとえば、

  • 採用チームが送ってくれた人の教育に営業現場の時間が余計取られたり。
  • 離職率を下げるために企業文化の強化し、逆に離職者が増えたり。
  • 営業部門が財務部門が絶対に達成してほしい業績ラインを理解しておらず、資金繰りに必要以上に手を煩わせたり。

順番に対処するべき問題もあると思うのですが、コミュニケーションしていれば避けられるものや準備できるものも多い。僕はまさに問題の渦中の現場を奔走していたわけですが、こういう因果関係が正直見えていなかった。
一度経験するとパターンを覚えてきて、物事のつながりが見えてくるようになるが、各部門のコミュニケーション量を上げお互いに全体をシステムとして考える癖があると、起こることが想定できるようになると思います。


2.危機のサインを見逃さない。
因果関係がわからず意思決定したとしても、玉突き事故はすぐに起こるわけではなく、煙がくすぶる時間を経て問題が発生する。これは問題になる可能性がなと思ったことはたいてい顕在化した気がする。特に内部の問題は。
問題の早い段階で、コミュニケーションが取られるような関係性と対策を取る気があるマネジャーが揃っていないといけない。当時を振り返ると、いろいろ問題なのはわかっていながら、人に関わる問題が多いので口に出さなかった。陰口に思われるのを避けるのではなく、オープンに話し合ったほうが良かった。人間関係から逃げずに向き合わないといけません。

3.ダウントレンドの中でも活躍する、内発的動機づけされたメンバーを採用しておく。
よく言われていることだが、事業や会社の成長を語って人を採用すると、業績が悪化したタイミングで会社を去ることになる。会社を見限るようなかたちで人が抜けると、会社の雰囲気は悪くなり連鎖的に退職者が出てしまうことがある。雰囲気を変えるには、周りに引っ張られずに、なんでここで自分が働いているのかという問いに自分なりの答えを持っている人が必要。さらにいうと毎年の採用レベルを上げておくとよい。たいがい閉塞感を感じた先輩から辞めるので、ポジションが空いた時に、より優秀な後輩が入ってくれると企業は失敗をするたびに強くなる。

とつらつら書きましたが、失敗しない組織はないので、「わたしを殺さないものは、わたしをいっそう強くする。」というニーチェの言葉の通り不運から学習を続けることが大切だと思います。前職の役員がうちの会社が強いのは、創業時に事業があたらず、事業を変えながら試行錯誤してきたからだと言っていたのをふと思いだします。

 

(余談)ブログの内容は昨日ほぼ書き終えていたのですが、今朝セプテーニの佐藤さんがセミナーでニーチェの言葉を大切にされているとお聞きし、びっくりしました。偶然があるもんですね。

ちなみにセプテーニさんは知らない会社ではなかったのですが、はじめて佐藤さんのお話をお聞きしました。頭がいいと噂は各方面から散々聞いてましたが、各スタートアップへのフィードバックをはじめ非常に勉強になるところがありました。何事も定量化する思考習慣と正しい習慣を作れる意志力、見習いたい素敵な方でした。

 
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ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる

ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる

 

 

できなかったことに注目してませんか?成長を促すフィードバック

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日本のグループリーグの敗退が決まり、日本代表にはなかなか厳しい言葉がメディアに並びました。厳しいのは、期待の裏返しなのか、よくわりませんが、実際、うまくいかなったときに相手の成長を促すようなフィードバックってどういうものなんだろうなと少し考えました。

はじめてマネジャーになったころ、メンバーに期待するあまりに色々厳しいことをいって、失敗したことがあります。

  • なんで提案に間に合わなかったの?なにをしていた?
  • なにを理由にこの提案にしたの?なんか新しいデータあったけ?
  • ここの部分って競合ってどんな提案すると思ってる?
  • こういう結果が出ますって提案されて、自分が顧客だったらどう思うの?


僕もはじめてのマネジャーでやる気はすごいあったし、メンバーに成功して欲しいと思っていた。叱責したつもりはないし、俺の言うとおりにやれという感じで接したつもりもないし、よく言えばコーチングをしたつもりなわけだが、部下のパフォーマンスはあがらなかった。
だんだんと僕のフィードバックに対して、反論や沈黙がでるようになりお互い疲れてきたころ、彼が転職すると聞いた。

僕は、その日ひどく酒に酔って、タクシーの中で泣いた。
部下の成長を望み相手の足りなところをばかりをフィードバックしった結果、結局、メンバーに成長の機会を作ってあげれなかったことが悲しかった。

それから少し経って、メンバーの足りないところを指摘し行動を変えさせようとすることから、どんな手を使っても、小さな成功体験を積ませることを優先するようになった。
それはメンバーが本質的に成長していなくても、まず結果を出すことのお膳立てすることだった。

厳しく行動管理をするマネジャーをよそに、たいして管理しない僕のスタイルを疑問を持った人もいると思う。マネジメントスタイルになにか確信があったわけでもない。ぶっちゃけ当時は人的ストレスから避けてとった苦肉の策だったと思う。

でも、そのゆるいマネジメントになってから、概ねどのメンバーも一人前に成長するようになった。他の部署や他のチームでパフォーマンスを疑問視されたいたメンバーが、自分のとこにきてから周りからの評価を激変させていったことも少なくない。

配属されたメンバーが、どんどん自信を回復し、終いには森田さんの方針より、こうしたほうがいいですと、文句がでるようになるのを微笑ましく見ていた。

ただ、そういう成功事例を増やしいって成功体験を積ませることが成長への近道だということは理解したものの、ぶっちゃけなぜこのスタイルが成果につながるのか、自分自身あまり腹落ちしていなかった。。。


もう10年弱腹に落ちしていなかったことが先日母校で開かれていたセミナーを聞いて、腹に落ちた。

講師がPDCAサイクルのチェックの部分がうまくいかないのは、ほとんどの人が反省を促し、できなかったことにフォーカスするからだといっていた。講師の著書を読んでみると、

反省とは、「できなかったこと」を見ているのです。前章で「自分を律することは続かない」ことを説明しました。まったく同じ論理で、反省では「やる気」があがるどころか、減退していきます。自分の過ちを認め自戒し改めようとすることはキツイことなので行動がつづきません。だんだんしょんぼりしてくるのです。(絶対に達成する技術より)



たしかに、足りないところを指摘され続けているメンバーは、どんどん自信をなくしていきます。自信がなくなると自分の判断を信じられなくなり、上司の顔色をうかがった無難な提案方針が上がってきます。


上司の顔色を伺うという行動は、失敗の原因をつかめていないからです。ほんとうに失敗から学んでいたら、これが原因で失敗しましたが、ここを直せば必ずいけるはずです、と説明してくるでしょう。


では、どうすれば自分の行動を深く振り返ることができるのでしょうか。

「できたこと」ことをほめることで、「学びの感度」センサーがONになり「経験から学ぶ」状態になり「行動を深く振り返る」準備が整うです。



たしかに、自信をなくした状態ではそもそも振り返る準備ができていないのです。まず、できたことを褒めてあげる必要があります。


人間は誰もが、心に重い扉をもっています。心の奥を、いつも全開にしている人はいません。
では、扉の向こうには、何があるのでしょうか。それは子供のような純粋な心です。人に見られるものではありませんし、自分でも意識することはありません。重たいは扉は、その純粋な心がきづかないように守っている砦なのです。企業で働く人は、多かれ少なかれ、こんな状態でしょう。
しかし、自分のことを素直に見つめると、少しづつその扉が開いてきます。すると「本音では自分はこう思っている」「本来、仕事はこうあるべきではないか」「自分はこう仕事を進めていきたい」などふつふつと上がってきます。「学びの感度」が上昇してきている証拠です。

たしかに振り返ってみると、厳しくフィードバックを受けているメンバーが自己肯定感を持てなくなって、自分で思考できない状態に陥るのを何度も見てきました。まさに心の扉が閉じてしまっている状態です。

その状態では自分の失敗と向き合うことは難しいでしょう。もうこれ以上みじめな気持になりたくないですからね。


僕がやっていた成功体験をお膳立てする行為と言うのは、彼らに自己肯定感を持ちやすい環境を整えて、自走できる状態にしてあげていたんだなと、腹落ちました。
そして、もともと素直で向上心を持ったメンバーが集まっている会社だったから、メンバーが自信を取り戻せば、みるみる成果をあげてくれるのは当然。いまさらながらやっぱ、俺じゃなくてメンバーが優秀だったなと一人で納得しています(笑)

最後にセミナーでも出て来たんですが、

子供が95点のテストを持って帰ってきたらなんてフィードバックしますか?

もう、わかってますよね。

 

(余談)ザックは結果がでないチームになんて声かけてたんだろうと思いながら、ブログ書いていたはずなのに全然サッカー関係ない内容になっていた。。。ザックのインタビューの感じからすると、代表メンバーの鼓舞しながら、選手が試合をしっかり振り返りを行わせていたように思いましたけど。まぁとにかく関係者の皆様には4年間お疲れ様でしたとお伝えしたいですね。

 

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絶対に達成する技術 (中経出版)

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本田圭佑から学ぶ成長思考。いい加減、自分をよく魅せたいという欲求を捨てよう。

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特別サッカーが好きなわけではないですが、ワールドカップということもあり、たまたま見たNHK本田圭佑のインタビューが目にとまった。

インタビュアーが、本田にミランでのプレイについてどう考えているかを聞くと、
「まぁ、ミランに来て、すぐにはうまくいかないだろうなと思ってました。」と答えていた。

正直、僕としては意外だった。
入団時に背番号10番を希望したともいうし、いつも大きなビジョンを毅然として語るの彼のことだ、もっと自信を持って入団しているものと思っていた。

しかし、彼のサッカー人生を見てみると、必ずしも自分のプライドを傷つけずに生きてきた人ではないのがわかる。

たとえば、小学校の4年生の時に、兄の通う中学校の部活にまぜてもらうも体格差があり、中学生にはチビ扱いされていたし、ガンバ大阪のジュニアに進むも、ユースチームには昇格できなかった。高校生の時も、名古屋グランパスエイトの練習に参加し、オファーを受けるも、同時期に横浜F・マリノスの練習にも参加したが獲得は見送られている。

一方で、本田は名古屋加入時の契約では「オファーがあれば海外クラブへの移籍を認める」という条項が盛り込んだり、ACミランへの移籍時も背番号「10番」を自ら希望したり、結果を出す前に自らハードルをガンガンあげていく。

本田のことをいままで詳しく知らなかったが、常に自分のプライドを壊されることを受け入れて、実力以上の環境に身を置き、徹底して努力することで、成長を作ってきた人だった。

自分に過度なプレッシャーをかけて、追い込んで、成長する。
よく言われるアンコンフォートゾーンに常に身をおくというやり方だ。

本田もインタビューの中で「追い込まれたら人間生きるために死に物狂いで頑張るものですよ。生きる力はそういう潜在能力を秘めている」と答えている。

ただ、みんな、理屈はわかっていても、ビジネスマンはもちろんのこと、他のプロサッカー選手でさえ本田のように自らアンコンフォート・ゾーンに身をおける人は少ない。

一般的な人がアンコンフォート・ゾーンに身をおくきっかけになるのは、周りからのオファー発のことが多いように思う。例えば、社長に、ある部署の立て直しをお願いされてなど、自己評価より他者評価が上回った場合である。

しかし、本田のように成長するには、他者評価は高くない状態でも、自己評価以上ところに飛び込む必要がある。例えば、社内目標から乖離した非常に高い営業目標を他の社員を巻き込んで目指すことだ。当然周りから冷ややかな目で見られることもあるだろうが、手をあげて難しい仕事をとれるどうかが成長スピードを決めている。 

この行動がなかなかできないのは、多くの人が自分の能力を信じるよりも、自分をよく魅せたいという欲求に負けてしまうからだ。

WIREDに以前掲載れていた「より早く適切に学べる人」という記事に、そのことがよく書いてあるので紹介したい。

学生向けにテストを実施し、賢さを褒めた生徒と努力を褒めた生徒のその後の態度について調査をした。

賢さをほめられた生徒たちは、ほぼ全員が、自分よりテストの出来が悪かった生徒と自分を比較することで、自尊心を強化するほうを選んだ。これに対し、努力をほめられた生徒たちは、自分より成績のよかったテストを見るほうを選ぶ確率が高かった。彼らは失敗を理解し、失敗から学び、よりよい方法を編み出したいと思ったのだ。

知性をほめられた子どもは、自分を賢く「見せる」ことに気持ちを向けるようになり、間違いをおかすリスクをとれなくなるのだと説明している。

間違いをおかすことで生じる不愉快な反応を経験しない限り、われわれの脳が既存のモデルを修正することはない。いつまでも同じ間違いをおかし、自信を傷つけないために、自らを成長させる機会を逃し続けるのだ。(WIRED 早く適切に学べる人 より)

 
自分の考えを振り返ってどうだろうか、学校の授業中、部活、デート、仕事しているときも、自分をよく見せたいという気持ちが先行しすぎて、手を上げなかったり、レギュラーを取ると口に出さなかったり、好きな子に告白しなかったり、そういうことをしていると自分を成長させる機会を逃すことが習慣になってしまう。

 

この成長する考え方とそうでない考え方の差を、この記事では以下のようにまとめている。

「自分の知能レベルはこのくらいであり、ほとんど変えることはできない」という固定的な姿勢(fixed mindset)、もうひとつは、「必要な時間とエネルギーさえ費やせば、ほぼどんな能力も伸ばすことができる」という成長志向の姿勢(growth mindset)だ。固定的な姿勢をもつ人は、間違いを「ぶざまな失敗」とみなし、与えられた課題に対して自分に十分な能力がない証拠だと考える。一方、成長志向の姿勢をもつ人は、間違いを、知識を得るために必要な前段階、学びの原動力ととらえる。(WIRED より早く適切に学べる人より)


本田は徹底して成長志向の姿勢を、小学生の頃から貫いてきたのだ。

ほんと凄いことだ。

実際インタビューでも、「同じ人間であれば、才能に多少差があっても、努力でその差は埋められる。実際、僕より才能がある人より、成長してきた。」というようなことを答えている。

今からでも遅くない本田の姿勢を見習う必要がある。

実際、起業してみると、人を口説くために全力で事業を説明したら、相手から正直魅力的に思えませんと言われて断られたり、営業電話したらアポすら取れなかったり、カッコ悪いこともしばしばです。でも、失敗を恐れて挑戦しなければ、成長の機会を失ってしまいます。事業を起こすときに必要なのは、失敗の少なさではなく、立案した事業について、最速で学習できるかのほうがはるかに大事です。

WIREDの記事を借りれば、こんなメンタリティーが求められているのだろう。 

サミュエル・ベケットは適切にもこう言っていた。「試してみたら失敗した。それがどうしたというのだ。もう一度試せ。もう一度失敗し、よりよく失敗するのだ」(WIRED より早く適切に学べる人より) 

小学生頃に戻って脳の回路を書き換えたい気持ちが湧いてきますが、まぁ戻れませんので、今から本田を見習って、ガンガン挑戦して、失敗から最速で学習したいと思う。

(余談)いままで、好きなサッカー選手は?と聞かれたら、ジャイアントキリングの達海(漫画の主人公)ですって言ってしまうぐらいの感じでしたが、これからは本田ですと言ってみようかと。小学校生の時から自分を追い込んできた本田の勇姿を、ギリシャ戦でも見たいですね。頑張れニッポン! 

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WIRED VOL.12 (GQ JAPAN.2014年7月号増刊)

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フットボールサミット第8回 本田圭佑という哲学  世界のHONDAになる日

フットボールサミット第8回 本田圭佑という哲学 世界のHONDAになる日

 

 

 

ドリームゲートインターンシップから10年、やっと回ってきたバトン

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(INSIGHT さんのウェブページより)

自分が大学生だった頃のことを思い出す機会があったので、少しブログに書きたい。

僕が起業家を志すきっかけは大学三年生のインターンシップにあります。

経済産業省が主催した、ボブサップをイメージキャラクターにしたドリームゲートインターンシップです。

サイバーエージェントの藤田さんやディー・エヌ・エーの南波さんやオン・ザ・エッジ(当時)の堀江さんを筆頭とする起業家100名のもとに、カバン持ちとして学生100名を送るいう企画です。僕は前職の社長のもとに配属となり、5日日間でベンチャーの世界を覗き見ました。

インターンがはじまると、GMOの熊谷さんやベンチャーキャピタルの方とのMTGに同席させていただき華やかな世界に触れさせていただく一方で、お世辞にも綺麗とはいえないオフィス兼自宅で、社長は朝4時ぐらいまで働いて、9時には朝会に出るという生活の繰り返しているのを目の当たりにします。

また、社長と話すと、「世界一の企業を創る」「大きなビジョンを掲げて、徹底して逆算して生きる」「付き合う人は選べ」「もっとレバレッジするビジネスをどうやってつくるか」「Googleの次に来る検索エンジンを考えている」とか、そんな話ばっかりです。

バカでかいビジョンを描き、達成のための最短ルートを脇目もふらず邁進する姿に圧倒されたのを覚えています。

あの5日間が、僕にとって新しい世界のドアを開いてくれたのは間違いありません。

そして、あれから10数年経って、今は僕のもとに大学1年生がインターンシップに来てくれています。

彼は社会人の中に混じってミーティングしたり、こつこつとデータ入力してもらったり、一緒にいろんなベンチャーキャピタリストとの面談に参加してもらったり、営業電話を掛けたりしています。

10年経ってしまいましたが、ようやくバトンが回ってきました。

僕に前職の社長が新しい世界を見せてくれたように、彼にとってこのインターンが新しい世界のドアを開くきっかけになればと思います。ぶっちゃけ今でも前職の社長ほどの無双っぷりはみせられる気はしませんが(笑)、僕なりに真摯に向かい合ってバトンを渡したいと思います。


(余談)このインターンに参加していた仲間はかなりの数、起業しています。ドリームゲートインターンシップは3期生までで終わってしまいましたが、みんなが起業して、インターン生を受け入れていることを考えれば、実はドリームインターンシッププログラムはまだ続いているだろうなぁ。今日もどこかで僕が当時受けた衝撃を味わっている学生がいると思うと、なんだか胸が熱くなりますな。

 

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Chromecastとビジネスの嗅覚について

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Chromecastを買いました!とフェイスブックにアップしたところ、みんなから意外に反応があったので今日のブログはChromecastを題材に書いてみます。

まず、なんで買ったのか。
フェイスブックに書いたように、アナログ放送の終了とともにテレビのない生活を数年していたんですが、実家に帰ってテレビがある生活に戻ったら、見るもんがなくて困ったのが買った理由の一つです。父親が録画してるTEDスーパープレゼンテーションを勧められて、見たりするんですけど、だったらネットでよくない?みたいな。
もう一つの理由は、自分の事業家としての能力をもっと向上させたいと思っているからです。まだ事業一つ作るのに四苦八苦している状況ですが、生きてる間に多数の事業を作りたいと思っています。
そんなに都合よくビジネスが作れるかというツッコミもありそうですが、この世の中は有難いことに、どんな領域でも新しいビジネスが生まれています。イノベーションが起きない領域はありません。なので、事業を作るチャンスは多数あります。チャンスの匂いに敏感であれば、多数の事業を当てることは不可能ではないと思います。

事業としての嗅覚を研ぎ澄ます3つのポイント
先日母校で行われたワークショップの受け売りですが(笑)、事業家としての嗅覚を研ぎ澄ますには、3つのポイントをおさえれば良いと思っています。


1.世の中の環境変化に注意を向ける。
人口動態やデバイス変化やユーザー行動などに目を向ける。大成功したビジネスの多くが世の中の大きな流れに乗って登場します。クックパッドも女性の社会進出がすすみ、求められる夕食の変化にうまくのって登場したレシピサイトです。昔から料理専門家のレシピはあったけど、現代社会ではちょっと求められるものが違うんですね。

2.ビジネスモデルをストックする。
Yahoo!の小澤さんがすべてのビジネスは要素分解できるというお話をどこかでしていましたが、たくさんのビジネスモデルやその成功要因を多数知っていれば、新しい着想を生みやすくなります。スタートアップのピッチを聞いていても、○○○領域に特化したAirbnb、○○○領域に特化したクラウドソーシング、○○○版の弁護士ドットコム、○○○版のクックパッドとか、他のビジネスモデルの成功要素をうまく転用した事例はたくさんあります。実際、そのまま転用することはできずひと工夫、ふた工夫求められることが多いですが、初期の着想としては大いにありだと思います。

3.顧客、現場を観察する。

現場を観察し、多くの人が抱く印象と現場の数字の異なるような場合は新しいビジネスになります。前職の広告代理店時代だと、他の代理店からあそこの会社はバナー制作を無料で行っていて、本当に儲かるのかと言われていた時期がある。でも、バナーを制作すればするほど儲かるというデータが出ていました。他の代理店が担当している領域では成立しないが、僕らが担当している領域なら成立する、正しく言えば、させる方法がある。このようなに観察から、他社に先駆けて事業経済性の違いをクリアに認識できれば、しめたものです。事業の5割ぐらいは完成しています。

こんなことを意識して生きていると、クロームキャストを買いたくなるわけです。クロームキャストはインターネットテレビを普及させるドライバーになる商材になる可能性があり、そのときにユーザーがどう感じるのか体験しておけば、新しいビジネスの着想が得られる可能性が高まりますよね。

早速、実際使ってみて感じたことを羅列してみます。

長尺コンテンツが求められる。
ゆっくりコンテンツを消費できる環境(大画面+リビング)が整った瞬間、GLOBIS.TVで1時間超えのセミナー動画を見てしまいました。スマホのように隙間時間にコンテンツを消費するわけではないのです。そろそろGoogle Playから映画をDLしてしまうと思います。

複数名で楽しむコンテンツが求められる。
ロームキャストを拝見しに兄貴が居間に来ていたので、笑うメディアCuRAZYをテレビに写してみました。しかし、いつもと違いあんまり笑えないのです。理由はテキストや画像では、一緒に見ている人とテンションが揃わないからだと思います。自分だけゲラゲラ笑うわけにもいかないので、なんか笑づらい雰囲気が生まれます。その点、動画はその場の人、全員の気持ちを揃えやすいのだと思います。
あとは、思ったのはスマホゲームなんかも一人で楽しむものだけではなく、リアルタイム対戦型ゲームが見直される気がします。離れてオンライン対戦もいいけど、みんなで格闘ゲームをやっていた世界が息を吹き返すじゃないかな。

TVに最適化したUIが求められる。
PCをミラーリングして、文字の大きさを変えてみましたが、どうしても楽しみ切れませんでした。やはり、ChromecastSDKを入れて最適化したUIを作ってもらう必要がありそうです。

ネット広告とTVCMの差がなくなる。
youtubeでCMが流れるをみて、うちの両親は完全テレビ番組を見ているものだと勘違いしていました。ネット広告でもテレビに映されることを考慮して動画広告が作られるようになりそうです。

以上、ざっと数日使って、鼻をクンクンした感想です。Chromecastの普及率次第ですが、これからChromecastSDKを入れたアプリが増えそうですね。

※余談※
メディアに書かれていることですが、一応、一般利用としての感想もというコメントがあったので、購入前に勘違いしやすいところについて書いておきます。
ChromecastはPCではミラーリングできますが、スマホの場合はできません。スマホからChromecastを利用できるのはChromecastのSDKを入れているアプリだけです。あとスマホはあくまでリモコンみたいなものなので、Chromecastで配信がはじまれば、スマホ上でなにをやっていても大丈夫です。スマホのブラウザに残った変なURLの履歴をリビングで晒すことにはならないのでご安心を(笑)

 

 

アンサーを事例に非目的型情報サービスを学ぼう

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       (アンサー スクリーンショットより)

ブログを代表とした非目的型情報発信・消費を狙ったサービスというのは昔からあったけど、最近改めて、アンサー、aorb、7gogoなど非目的型情報発信・消費を狙ったサービスが増えたように思います。

この流行りに乗ってこの手のサービスを立ち上げようという話を聞いたりもするんですが、僕はこの手のサービスの勘所をあんまり理解しておらず、フィードバックを求められてもなかなか良いとも悪いとも言えないことが多い。どうしても課題が見えづらいサービスより、昔からある課題に対して、時代にあったソリューションを提供するようなビジネスプランのほうを評価しがちな人は、僕以外にも多いのではないか。この評価には一理あると思うのだが、インターネット事業の面白さを味わい切れていないような気がするので、今日はこの手の事業をまとめてみようと思います。

 

目的型情報発信・消費と非目的型情報発信・消費の特徴の比較

  • 目的型情報発信・消費市場では、目的を達成できないと価値がないので、それなりに情報発信コストがかかる。故にコストに対して直接リターンが見えるモデルが相性がよい。所謂、インフォメーションコンテンツ。
  • 非目的型情報発信・消費市場では、目的がない情報発信なので、強い動機づけないため発信者がコストを取らないのが一般的。故に直接的にリターンが取れないことを前提としたモデルのほうが相性が良い。所謂、コミュニケーションコンテンツ。

なぜ今、非目的型情報発信・消費サービスが伸びているのか。

  • スマートフォンの普及により、PCやガラケーよりも短時間で情報発信ができるようになったことが大きな要因だと思います。コミュニケーションが軽いほうにいくことが人間の根源的な欲求だとすると、情報発信コストが落ちたタイミングで、非目的型情報発信市場を狙ったサービスが生まれてくるの納得できる流れかと思います。


なにが非目的型情報発信・消費型サービスの価値を作るのか
非目的型情報発信・消費型サービスがベースがコミュケーションコンテンツだとすると、その価値はコミュニケーション相手によって決まる部分が多いと思います。LINEのようなクローズドのコミュニケーションサービスは利用者が増えれば増えるほど、ネットワークの外部性が働き価値が増幅されます。

一方で、不特定多数とコミュニケーションを売りにするサービスだとどこに差がでるのでしょうか。誰かとコミュニケーションできると約束されているわけではないので、たとえば、以下の様なものでしょうか

 

  1. レスのスピードと数
    コミュニケーション自体に価値があるとすると、相手からのレスポンスのスピードと数がはやく多ければ、価値もはやく、たくさん受けられる。
  2. 同じ情報を共有している集団
    2ちゃんユーザーにしか通じないことばニコ厨にしかわからないことがあるように、内輪ネタが通じる状態にすればその集団には価値があります。
    ※新しいユーザーが価値を感じづらいというのはありますが。。。
  3. 自己承認欲求を満たしやすい仕組み。
    不特定多数且つ匿名性であっても、情報発信者は自己を認めてもらいたいという欲求は持っています。いいねボタンのようなもので自己承認欲求を満たしてくれるのはやはり嬉しいので、これを仕組み化されていることが、レス数を差になりそうです。

 

改めて整理して、ポイントをまとめると、

 

事業のポイント
非目的なユーザーがふらっと参加できるように設計し、出来るだけ情報発信コストを落として、たくさんコミュニケーションを生み出す。その上で、内輪ネタが作りやすい仕組みと情報発信者の自己承認欲求を満たす仕組みを用意するというのがポイントのように思います。

 

具体的に最近話題のアンサーを調べてみました。

ユーザーにこんな質問をしてみました。

 

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Q&Aでなにかの解決をすると思いきや、雑談、ボケとツッコミという回答。
やっぱり非目的情報発信・消費ニーズ向けのサービスです。 

 

もう少し深堀りしてみた。

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島耕作が出てきました(笑)もはや、新感覚ボケてです。

 

続いて、

 

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ワニから逃げる方法を教えられ、もはやなにを質問しているかわからない状態です。。でも、確かにたのしい(笑)。

これがまさに知っている人しかわからない内輪ネタです。botのコントロールを覚えた人が集まっていることこそ、価値なっているはず。おんなじようなことがITビジネスの原理の中にも書かれています。

 

非目的型情報消費が進むと、非目的とは言いながらなんらかの刺激がないと人はその消費に耐えられなくなる。そこで、そこに差異を生み出す装置が欲しくなるのです。その差異を特別なものと思えば思うほど、自分の消費が価値あるものと考えられるようになる。(ITビジネスの原理)


僕もbotを召喚しようと、つぶやいてみます。 

 

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しかし、ワニの画像が出てきません。

 

どうやら1トークに1回しか同じBotはでないようなのです。botの呼び出し方が説明されておらず知っている人は知っているという仕組みは、まさに差異を生み出す装置です。


最後に、自己承認欲求をくすぐるという点では、最初のスクリーンショットやコメントの脇をみるといいねボタンがあります。また即レスすると褒められる仕組みが入っています。

 

いやー、すごいしっかり設計されていますよね。
アンサーに分析が引っ張られているんじゃないかと自分でツッコミを入れつつ、アンサーの体験には、感動してしまったんでスクリーンショットまで掲載してしまいました。

 

書き起こしてみると、すごい当たり前のこと書いているような気もするが、前よりは少しだけ非目的型情報発信・消費サービスについて理解できた気がします。こんな感じで気になることは、より深く理解するためにも文章にしてみようと思う。

 

(余談)ここまで書いて、ふとグリQってどうなったんだっけと思い出した。LINEQとアンサーの一騎打ち風だけど、グリQはどうした?単純にスマホ上では出すタイミングが遅れただけか、だれか教えて。まぁ社内的優先順位は低そうだからなぁ。。。